上の歯のインプラントができないと言われたときに確かめたい検査と選択肢
「上の歯のインプラントはできない」と言われて、次にどうすればよいのか分からなくなっていませんか。
上あごは下あごと比べて骨の条件が見えにくく、同じ口の状態でも医院によって判断が分かれることがあります。
断られた理由が骨の量なのか、それとも別の事情なのかがはっきりしないまま、治療そのものをあきらめてしまうのは早いかもしれません。
上あごの奥には上顎洞という空洞があり、そこまでの距離や骨の残り方は、平面のレントゲンだけでは読み取りきれないことがあります。
この記事では、判断の前に確かめたい検査、上の歯が難しいとされる要因、検査結果に応じて検討される治療の選択肢、相談のときに確認しておきたい点を順にまとめました。
読み終えるころには、次にどこで何を聞けばよいのかが整理できているはずです。
【この記事の監修者】
医療法人スマイル 理事長 尾崎 隆(歯科医師)
1989年歯科医師国家資格取得。
1999年スマイル矯正歯科(現・スマイル歯科クリニック・矯正歯科)開設。
2013年名駅歯科クリニック・矯正歯科、2018年岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科、アルティメイト栄歯科・矯正歯科を開設。
2020年医療法人スマイル設立、理事長就任。
資格・研修歴:USA OBI LEVEL4/MALO CLINIC Educationコース修了(All-on-4・インプラント)/マウスピース矯正・インビザライン認定医
上の歯のインプラントができないと言われて戸惑っている方へ

「できない」という一言だけが記憶に残り、その理由の部分がうまく思い出せない。
そんな状態のままご相談に来られる方は少なくありません。
気持ちの整理がつかないまま時間だけが過ぎてしまう前に、状況を一度分けて考えてみましょう。
- なぜ難しいのかを詳しく聞けないまま帰ってきたという声
- 上の歯だからといって治療できないと決まるわけではない
- 同じ上の歯でも前歯と奥歯では事情が変わる
順に見ていきます。
なぜ難しいのかを詳しく聞けないまま帰ってきたという声
ご相談で特に多いのは、「骨が足りないと言われたが、どの部分がどれくらい足りないのかまでは聞けなかった」「上あごは難しいとだけ言われて話が終わった」「ほかに方法があるのかどうかを確認できなかった」という3つの声です。
いずれも治療の良しあし以前に、判断するための材料が手元にないところでつまずいています。
診療室では、説明の途中で質問をはさみにくいと感じる方が多くいらっしゃいます。
その場で聞けなかったことは、あとから電話や次の受診で確認しても構いません。
独立行政法人国民生活センターが2019年3月14日に公表した「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか」でも、消費者へのアドバイスとして、治療前に口の中や全身の状態、治療方法や費用、リスクなどに関する説明を求めることが挙げられています。
同資料では、全国の消費生活センター等に寄せられた歯科インプラント治療で身体に危害が生じたという相談が2013年度以降の約5年間で409件にのぼり、毎年60件から80件程度で推移していると報告されています。
【出典】独立行政法人国民生活センター「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか」(2019年3月14日公表)
説明を求めることは、遠慮すべきことではありません。
治療を選ぶための前提だと考えて構いません。
上の歯だからといって治療できないと決まるわけではない
結論から言うと、「上の歯だから」という理由だけで治療の可否が決まるわけではありません。
決め手になるのは、上あごか下あごかではなく、その部位に残っている骨の状態と全身の条件です。
公益社団法人日本口腔インプラント学会のよくあるご質問では、埋入予定の部位に十分な骨が存在しない場合はインプラント治療を行うことが困難としたうえで、手術の前、あるいは手術と同時に骨を造るための処置を行うことで治療が可能になる場合があると説明されています。
つまり「いまのままでは難しい」と「今後も一切できない」は、同じ意味ではありません。
【参照】公益社団法人日本口腔インプラント学会「よくあるご質問」
そのため、断られた理由が自分の骨の状態にあるのか、その医院で対応している治療の範囲にあるのかは、分けて確認しておきたいところです。
断られた理由の整理の仕方は「インプラントが「できない」と言われた方へ!原因と解決策を詳しく解説」でも取り上げています。
同じ上の歯でも前歯と奥歯では事情が変わる
ひとくちに上の歯といっても、前歯と奥歯では条件がまったく違います。
奥歯の上には上顎洞という空洞があり、骨の高さを確保しにくい部位です。
一方で前歯は、上顎洞の影響は受けにくいものの、唇側の骨が薄くなりやすく、見た目の仕上がりまで含めた設計が必要になります。
笑ったときに見える部分のため、歯ぐきの形や歯の長さの再現も検討材料になります。
同じ「上の歯ができない」という説明でも、前歯の話なのか奥歯の話なのかで、その後に検討できる方法は変わります。
部位ごとの考え方は「奥歯のインプラントができない?適用が難しいケースや治療法を紹介」と「前歯のインプラントは難しい?審美性・費用・注意点を徹底解説」にもまとめています。
まず確かめたいのは残っている骨と上顎洞の位置関係

結論から言うと、上の歯の相談で先に確かめたいのは、残っている骨の高さや幅と、上顎洞までの位置関係です。
ここがあいまいなままでは、できる・できないの議論そのものが成り立ちません。
- 平面のレントゲンだけでは判断しきれないことがある
- 歯科用CTで三次元的に確認できること
- 検査の結果によって検討できる選択肢が変わる
ひとつずつ確認していきます。
平面のレントゲンだけでは判断しきれないことがある
一般的な歯科で撮影されるパノラマや小さなレントゲンは、立体の顎を平面に写した画像です。
前後に重なった骨が1枚に投影されるため、骨の厚みや断面の形までは読み取りきれません。
上顎洞の形や大きさには個人差があり、洞のなかに骨の仕切り(隔壁)が見られることもあります。
平面の画像では、こうした形の違いや、頬側と口蓋側のどちらに骨が残っているのかが分かりにくくなります。
そのため、平面の画像だけで「骨が足りない」と判断された場合、実際には埋入できる部位が残っていたというケースもあります。
逆に、平面では足りているように見えても、断面で見ると幅が不足している場合もあります。
歯科用CTで三次元的に確認できること
歯科用CTでは、顎の骨を立体的に撮影し、必要な断面で切り出して確認できます。
具体的には、骨の高さと幅、骨の形、上顎洞の底の位置と洞の中の状態、鼻腔や神経・血管との距離などです。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科では、三次元で診断できる歯科用CTと、通常の診療エリアから独立したインプラント専用のオペ室を備えています。
手術室は陽圧を保ち、脈拍や血圧を確認する生体管理モニタを使う体制がとられています。
設備の詳細は歯科用CT・インプラント手術室の完備でご確認いただけます。
撮影した画像は、コンピューター上でのシミュレーションにも使われます。
どの位置に、どの角度で埋入するのが適切かを事前に検討できるため、「できる・できない」の判断そのものの精度が変わってきます。
他院で「骨が足りない」「上あごは難しい」と言われた方は、その判断がどの検査にもとづくものだったのかを確認しておくと、次に検討できる方法が見えてきます。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科では、栄駅から徒歩2分の院内で歯科用CTによる撮影を行い、いまの状態と考えられる選択肢をご説明しています。
予約ページからのお申し込みのほか、お電話でもご相談を受け付けています。
検査の結果によって検討できる選択肢が変わる
検査で分かるのは「足りているかどうか」だけではありません。
どこに、どのくらい、どんな形で骨が残っているかが分かると、検討できる方法が具体的になります。
骨の高さが不足していれば骨を補う処置が、骨の残っている位置が偏っていれば埋入する位置や角度の工夫が検討されます。
上あごの骨が大きく痩せている場合には、頬骨を支えに使う方法が話題にのぼることもあります。
ただし、数値だけで術式が決まるわけではありません。
噛み合わせ、歯周組織の状態、全身の状態、通院できる期間などを合わせて判断されるため、画像診断と適応条件の両方を確認したうえで説明を聞くことが大切です。
上の歯のインプラント治療が難しいとされる4つの要因

上あごが難しいとされる背景は、大きく4つに整理できます。
理由の見当がつくと、自分に当てはまるものとそうでないものを切り分けられます。
- 要因①:上顎洞が近く骨の高さを確保しにくい
- 要因②:上顎の骨は下顎よりやわらかいとされている
- 要因③:歯を失ってから時間が経つほど骨は痩せやすい
- 要因④:歯周病や全身の状態が治療の可否に関わる
まずは1つ目から確認します。
要因①:上顎洞が近く骨の高さを確保しにくい
上顎洞は、上あごの奥、頬の裏側あたりにある空洞です。
鼻とつながっており、その底の部分は上の奥歯の根の先と近い位置にあります。
公益社団法人日本口腔外科学会の口腔外科相談室でも、上顎洞は上顎の歯根と接近しているため、むし歯や歯周病を治療せずに放置していると歯性上顎洞炎になることがあると説明されています。
それだけ距離が近い場所だということです。
【参照】公益社団法人日本口腔外科学会 口腔外科相談室「炎症」
奥歯を失ったあとは、この上顎洞が下に向かって広がるように見えることがあり、骨の高さがさらに確保しにくくなる場合があります。
上の奥歯のインプラントが難しいとされる理由の中心は、この位置関係にあります。
要因②:上顎の骨は下顎よりやわらかいとされている
上あごの骨は、下あごと比べてやわらかい性質の骨が多いとされています。
外側のかたい層が薄く、内側のスポンジ状の部分が多い構造のため、埋入した直後の固定が得にくいことがあります。
この違いは、治療にかかる期間にも表れます。
公益社団法人日本口腔インプラント学会のよくあるご質問では、インプラントと骨が結合するまでの期間は埋入部の骨の状態や使用するインプラントによって異なるとしたうえで、一般的な目安として下顎で2か月から3か月程度、上顎で4か月から6か月程度と説明されています。
【参照】公益社団法人日本口腔インプラント学会「よくあるご質問」
上あごのほうが待つ期間が長くなりやすいのは、骨の性質の違いを踏まえた設計だからです。
「治りが遅い」のではなく、「必要な時間が違う」と理解しておくと、治療計画の説明も受け取りやすくなります。
要因③:歯を失ってから時間が経つほど骨は痩せやすい
歯を支えていた骨は、噛む力が伝わらなくなると少しずつ吸収され、高さも幅も減っていきます。
抜歯からの期間が長いほど、この変化は進みやすくなります。
上あごの奥は、もともと骨の高さに余裕がない部位です。
そこに吸収が加わると、平面のレントゲンでも「骨がほとんどない」と見える状態になりやすくなります。
ここで押さえておきたいのは、痩せてしまった骨の量そのものよりも、いまどこにどれだけ残っているかが判断材料になるという点です。
長く入れ歯を使ってきた方や、抜歯から何年も経っている方でも、検査を受けてみると埋入できる部位が残っていることがあります。
要因④:歯周病や全身の状態が治療の可否に関わる
骨の条件がそろっていても、歯ぐきや全身の状態によっては見送りになることがあります。
重度の歯周病が残っている場合は、先に歯周病の治療を行い、状態が落ち着いてからインプラントを検討する流れが一般的です。
糖尿病などの持病がある方、骨の代謝に関わる薬を服用している方、喫煙の習慣がある方も、事前の確認が必要です。
主治医と連携しながら全身の状態を確認したうえで、進められるかどうかが判断されます。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科の院長である北村 隆典は、日本口腔インプラント学会と日本歯周病学会に所属し、日本外傷歯学会の認定医です。
歯ぐきの状態まで含めた診断の体制は医療法人スマイルのスタッフ紹介でもご確認いただけます。
治療をせず経過した場合に確認しておきたいこと

「しばらく様子を見ましょう」と言われたまま、時間が過ぎている方もいらっしゃいます。
ここでは不安をあおるためではなく、経過のなかで変わりうることを確認事項として整理します。
- 残った歯に負担が集中して噛める場所が減っていくことがある
- 時間の経過とともに顎の骨の状態が変わることがある
- 合わない入れ歯を使い続けて悩みが長引くこともある
それぞれ具体的に見ていきます。
残った歯に負担が集中して噛める場所が減っていくことがある
歯が抜けた部分をそのままにしていると、残っている歯で噛む回数が増えます。
特定の歯に力が集中すると、その歯や周囲の骨に負担がかかりやすくなります。
また、噛み合っていた相手の歯が伸びてきたり、隣の歯が傾いてきたりすることがあります。
歯の位置が動くと、あとから治療を検討するときに、かぶせ物や噛み合わせの調整が追加で必要になる場合もあります。
片側だけで噛む癖がついている方は、一度左右のバランスを確認しておくとよいでしょう。
噛める場所が減っていく変化は、自覚しにくいまま進むことがあります。
時間の経過とともに顎の骨の状態が変わることがある
先に触れたとおり、歯を失った部分の骨は少しずつ吸収されていきます。
上あごの奥では、骨の高さが減るのと同時に、上顎洞との距離も変わっていくことがあります。
骨の状態が変われば、検討できる方法の組み合わせも変わります。
いまなら選べる方法が、数年後には条件が変わっている可能性もあります。
これは「急いで治療を決めるべき」という意味ではありません。
判断を先送りする場合でも、いまの状態を画像として記録しておくと、次に相談するときの比較材料になります。
合わない入れ歯を使い続けて悩みが長引くこともある
上あごの入れ歯は、粘膜で支える面積が広いぶん安定しやすい一方で、味や温度を感じにくい、装着感が気になるといった声もあります。
合わないまま使い続けると、痛みや噛みにくさが日常になってしまうことがあります。
入れ歯そのものが悪いわけではありません。
調整で改善することも多くあります。
ただ、調整を繰り返しても解決しない場合は、支え方の設計自体を見直す必要があるかもしれません。
「外れやすい」「噛んだときに動く」「痛くて硬いものを避けている」という状態が続いているなら、現状の記録もかねて一度相談してみる価値があります。
検査の結果に応じて検討される上の歯の治療の選択肢

読み進めるうちに、自分の場合はどの方法から相談すればよいのか、目星がついてくるはずです。
ここからは、検査の結果によって検討される方法を、条件とあわせて並べていきます。
- 骨の量を補う骨造成という考え方
- 埋入する位置や角度を工夫する方法
- 頬骨を支えに使うザイゴマインプラントの適応と通常のインプラントとの違い
- インプラント以外に検討される入れ歯やブリッジ
- 選択肢を比べるときに確認しておきたい条件の一覧
以下で詳しく説明します。
骨の量を補う骨造成という考え方
骨造成は、足りない部分に自分の骨や人工の材料を補い、インプラントを支えられる状態に整える処置の総称です。
上あごでは、上顎洞の底の粘膜を持ち上げて、できたすき間に骨の材料を入れる方法が知られています。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科の骨が薄い方のインプラント治療では、サイナスリフト、ソケットリフト、GTR法の3つの方法が紹介されています。
サイナスリフトは、同ページでは上顎洞の側面から骨に穴を開け、上顎洞の粘膜をはがして、持ち上げた部分に自分の骨や人工骨を移植する方法として説明されており、治療期間の目安は約1年と案内されています。
ソケットリフトは、インプラントを入れる穴から骨を移植する方法で、条件が合えば埋入を同時に行える場合があります。
GTR法は骨の欠損が少ない場合に用いられ、同ページでは合成カルシウム剤を欠損部に充填してメンブレンで覆う方法として説明され、厚生労働省が認可した製品のみを使用すると記載されています。
どの方法を選べるかは、骨の残り方と全身の状態によって変わります。
数値だけで自動的に決まるわけではないため、画像診断を受けたうえで適応の説明を聞くことが前提になります。
埋入する位置や角度を工夫する方法
骨を補う以外に、いま残っている骨を活かす方向で設計する考え方もあります。
上顎洞を避けて骨の残っている部位を選ぶ、角度をつけて長さを確保する、本数と配置で力を分散させる、といった工夫です。
こうした設計は、事前のシミュレーションがあってはじめて成り立ちます。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科では、CT画像をもとに位置と角度を検討するコンピューターガイド手術と、手術中に位置を確認しながら進めるX-ガイドを導入しています。
ただし、工夫で対応できる範囲にも条件があります。
噛み合わせの力の向きや、将来のメンテナンスのしやすさまで含めて検討されるため、「角度をつければ骨造成を省ける」と単純化せず、診断結果とあわせて説明を受けてください。
頬骨を支えに使うザイゴマインプラントの適応と通常のインプラントとの違い
ザイゴマインプラントは、顎の骨ではなく頬骨(ザイゴマ)を支えに使う方法です。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科のザイゴマインプラントでは、顎の骨が萎縮している場合でも対応できる方法として紹介され、頬骨は硬く固定源として適しているとされています。
ここで押さえておきたいのは、ザイゴマインプラントは通常のインプラントとは適応も手術の内容も異なるという点です。
すべての方に適応する方法ではなく、上あごの骨が大きく痩せていて、ほかの方法では支えを確保しにくい場合に検討される選択肢です。
手術は長時間におよび、対応している歯科医院も限られます。
同ページでは、手術当日に固定式の仮歯を入れられると紹介されていますが、これも適応条件を満たした場合の話です。
骨造成を行わずに済む可能性があるという説明だけが先に伝わると、「骨がなくてもできる方法」と受け取られてしまいがちです。
実際には、頬骨の形や量、上顎洞の状態、噛み合わせ、全身の状態を含めた診断が必要で、適応にあてはまらないと判断されることもあります。
インプラント以外に検討される入れ歯やブリッジ
インプラントだけが選択肢というわけではありません。
手術を受けられない事情がある場合や、治療期間を短くしたい場合には、入れ歯やブリッジが現実的な選択になることもあります。
入れ歯は手術を伴わず、失った歯の本数が多い場合にも対応しやすい方法です。
一方で、取り外して手入れをする手間や、装着感、噛む力の伝わり方には個人差があります。
ブリッジは両隣の歯を支えにして固定する方法ですが、支えにする歯を削る必要があり、支えになる歯が残っていることが前提です。
上あごの奥で連続して歯を失っている場合は、適応にならないこともあります。
どれが向いているかは、残っている歯の位置と本数、骨の状態、通院できる期間、費用の考え方によって変わります。
ひとつの方法だけを比べるのではなく、複数の方法を並べて説明してもらうと判断しやすくなります。
選択肢を比べるときに確認しておきたい条件の一覧
ここまでの方法を、比較しやすいように整理します。
いずれも数値だけで決まるものではなく、検査結果と適応条件を合わせて判断されます。
| 選択肢 | 検討される状態 | 確認しておきたい条件 | 治療期間の考え方 |
|---|---|---|---|
| 骨造成(サイナスリフト・ソケットリフト・GTR法) | 骨の高さや厚みが不足しているが、補えば支えを確保できると診断された場合 | どの方法が適応になるか、使用する材料、腫れや痛みの程度、上顎洞の状態 | 骨ができるまでの待機期間が加わる。公式ページではサイナスリフトの目安を約1年と案内 |
| 埋入する位置や角度の工夫 | 骨の残っている位置に偏りがあり、避けて設計できると診断された場合 | シミュレーションの有無、噛み合わせの力の向き、将来のメンテナンスのしやすさ | 骨造成を伴わない場合は期間を抑えられることがある |
| ザイゴマインプラント | 上あごの骨が大きく痩せ、ほかの方法では支えを確保しにくいと診断された場合 | 適応にあてはまるか、手術時間、対応できる体制、術後の通院 | 骨造成の待機期間を伴わない設計もあるが、適応条件による |
| 入れ歯・ブリッジ | 手術を避けたい場合や、支えになる歯が残っている場合 | 支えにする歯を削る必要の有無、装着感、作り直しや調整の頻度 | 比較的短い期間で装着できることが多い |
表の内容はあくまで比較のための目安です。
同じ「骨が足りない」という状態でも、どこがどのように足りないかで結論は変わります。
上の歯の治療は、方法の名前を覚えるより、自分の状態がどの条件に当てはまるのかを知るほうが近道です。
判断材料を増やしておきたい方は、3分でわかる治療適性チェックと、失敗しない医院選びのチェックリスト7項目を検討の段階でご活用ください。
上の歯の治療を相談するときに確認しておきたいこと

相談の質は、当日の説明の分かりやすさよりも、行く前の準備で決まる部分が大きくなります。
準備ができていれば、限られた時間を質問に使えます。
- 他院で受けた説明を整理してから相談する
- 紹介状がなくても受けられるセカンドオピニオンの使い方
- 対応できる治療と、ほかの医療機関に紹介する場合の考え方
- 手術に強い抵抗がある場合に検討される鎮静法
- 上顎の治療を任せる歯科医院で確認しておきたい設備と体制
具体的なポイントは次のとおりです。
他院で受けた説明を整理してから相談する
はじめに、これまで受けた説明を自分の言葉で書き出しておきましょう。
いつ、どの医院で、どんな検査を受け、どう説明されたのかを並べるだけで、聞くべきことが見えてきます。
書き出す項目は4つで足ります。
診断の根拠(どの検査にもとづく判断か)、提案された方法(本数・術式・理由)、費用の範囲(どこまで含まれるか)、通院の見通し(期間と回数)です。
レントゲンやCTの画像データ、治療計画書、見積書が手元にあれば持参してください。
お薬手帳など、持病や服用中の薬が分かるものもあると、全身の条件まで含めた話ができます。
紹介状がなくても受けられるセカンドオピニオンの使い方
セカンドオピニオンは、主治医を否定するための行為ではありません。
提示された方針を理解し、納得したうえで選ぶための手続きです。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科のインプラントのセカンドオピニオンでは、セカンドオピニオンとして利用する場合に紹介状は必要なく、CT撮影を含む無料診断を行ったうえで説明すると案内されています。
同ページでは、相談に来られる方のなかには顎の骨の不足や難しい症例により他院でインプラント治療を断られた方が大半を占める、とも記載されています。
相談だけで終えても構いません。
無料相談で何がどこまで分かるのかは「インプラント治療の無料相談で何が分かる?内容・注意点を解説」にまとめています。
対応できる治療と、ほかの医療機関に紹介する場合の考え方
歯科医院によって、対応している治療の範囲は異なります。
骨造成やザイゴマインプラントのように、設備や体制が必要な治療では特にその差が出ます。
そのため、相談のときは「この医院で対応できる治療はどこまでか」「対応が難しい場合はどうなるのか」まで聞いておくと安心です。
診断の結果によっては、大学病院や連携先の医療機関を紹介する形で進めることもあります。
紹介が前提になる場合でも、いまの状態を画像で確認し、考えられる方法を整理しておく意味はあります。
「うちではできません」で終わるのか、次の選択肢まで示されるのかは、相談先を選ぶときの判断材料になります。
手術に強い抵抗がある場合に検討される鎮静法
手術そのものへの不安が強い方には、点滴で鎮静剤を用いる静脈内鎮静法が検討されることがあります。
うとうとした状態で治療を受けられるため、長時間の処置でも負担を抑えやすい方法とされています。
医療法人スマイルには、日本歯科麻酔学会の認定医である麻酔医が在籍しています。
ただし、適応できるかどうかは全身の状態や治療内容によって判断されるため、希望する場合は相談の段階で確認しておいてください。
当日の飲食の制限や、車の運転を避ける必要があるなど、事前に知っておきたい注意点もあります。
方法の概要は「インプラント治療を安心して受けられる静脈内鎮静法とは?」でご確認いただけます。
上顎の治療を任せる歯科医院で確認しておきたい設備と体制
上あごの治療では、診断と手術の環境が結果を左右することがあります。
広告の表現ではなく、次の5点がそろっているかで見比べてみてください。
- 歯科用CTによる三次元的な診断を行っているか
- 骨造成や、骨が少ない場合の選択肢まで説明してもらえるか
- 手術を行う環境(専用のオペ室など)が整えられているか
- 不安や持病に配慮した対応ができるか
- 治療後の保証とメンテナンスの条件が示されているか
保証は年数だけでなく条件まで確認しておきましょう。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科では、インプラント本体に10年の保証を設けており、最低でも半年に一度の定期検診を受けていることが条件とされています。
上部構造(かぶせ物)は5年の別規定で、経過年数に応じて負担の割合が変わります。
医院選びの視点は「名古屋で難症例のインプラント治療を受けるなら?歯科医院選びのポイントと安心の治療法」でも整理しています。
他院で断られた経緯がある方は、断られた理由に対応している医院かどうかを先に確認しておくと、相談が一度で済みます。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科の難症例や他院でインプラントを断られた方へでは、骨量や骨幅が不足している場合、歯周病がある場合、他院での治療後に不具合が生じた場合の受け付けについてご案内しています。
また、検討の段階で情報を集めておきたい方は、無料ガイドの実際の症例・費用例と、3分でわかる治療適性チェックもご利用いただけます。
上の歯のインプラントでよくある質問

ここからは、相談の前に多くいただく疑問にお答えします。
上あごならではの不安に絞って5つ選びました。
- Q. 上顎のインプラントの失敗例にはどのようなものがありますか?
- Q. インプラントが上顎洞を貫通するとどうなりますか?
- Q. 上の歯のインプラントは治療期間がどれくらいかかりますか?
- Q. 上の歯を全部治す場合はインプラントが何本必要ですか?
- Q. 上の歯のインプラントは費用が高くなりやすいですか?
順に回答していきます。
Q. 上顎のインプラントの失敗例にはどのようなものがありますか?
代表的なのは、埋入したインプラントが骨と結合せずにぐらついてしまうケースや、術後に感染や炎症が起きるケースです。
上あごでは骨がやわらかい部位が多いとされるため、初期の固定が得にくいことが背景にあると一般に考えられています。
独立行政法人国民生活センターに寄せられた相談でも、痛み、インプラントのぐらつきや脱落、腫れ、化膿といった内容が報告されています。
同資料では、身体症状が1年以上続いたという相談が211件中102件(48.3%)を占めたことも公表されています。
【出典】独立行政法人国民生活センター「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか」(2019年3月14日公表)
こうした事態を避けるには、事前の画像診断と適応の確認、そして治療後の定期検診が欠かせません。
インプラントの周囲に炎症が起きるインプラント周囲炎は、手入れが届かないまま進行することがあるため、メンテナンスの条件まで含めて確認しておきましょう。
Q. インプラントが上顎洞を貫通するとどうなりますか?
上顎洞の底の粘膜を傷つけたり、インプラントが洞の中に入り込んだりすると、上顎洞の炎症につながることがあります。
症状としては、頬の痛みや圧迫感、鼻の詰まり、においのある鼻汁などが挙げられます。
公益社団法人日本口腔外科学会の口腔外科相談室では、上顎洞は上顎の歯根と接近しており、原因となる歯を放置すると歯性上顎洞炎になることがあると説明されています。
【参照】公益社団法人日本口腔外科学会 口腔外科相談室「炎症」
インプラント体が上顎洞内に入ってしまった場合は、摘出が必要になることもあります。
だからこそ、上あごの奥では、術前に上顎洞の底の位置や洞の中の状態を三次元で確認しておくことが重要になります。
平面のレントゲンだけで進める計画に不安がある場合は、CTによる診断を受けているかを確認してください。
Q. 上の歯のインプラントは治療期間がどれくらいかかりますか?
骨の状態によりますが、上あごは下あごより長めに見ておくのが一般的です。
公益社団法人日本口腔インプラント学会のよくあるご質問では、インプラントと骨が結合するまでの目安として、下顎で2か月から3か月程度、上顎で4か月から6か月程度と説明されています。
【参照】公益社団法人日本口腔インプラント学会「よくあるご質問」
これに加えて、骨造成を行う場合は骨ができるまでの待機期間が必要になります。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科の公式ページでは、サイナスリフトの治療期間の目安を約1年と案内しています。
そのため、相談のときは「手術までの期間」「仮歯が入るまでの期間」「最終的なかぶせ物が入るまでの期間」を分けて確認しておくと、仕事や生活の予定を立てやすくなります。
Q. 上の歯を全部治す場合はインプラントが何本必要ですか?
失った歯の本数と、必要なインプラントの本数は一致しません。
噛む力をどう配分するかの設計によって、少ない本数で歯列全体を支える方法もあります。
たとえば、4本程度のインプラントで上あご全体の歯を支えるオールオン4のような設計もあり、骨の残っている部位を選んで埋入する考え方がとられます。
一方で、残っている歯の状態や噛み合わせによっては、本数を増やしたほうがよいと判断されることもあります。
本数は希望ではなく診断で決まる部分が大きいため、「なぜその本数なのか」を説明してもらうことをおすすめします。
本数の根拠が示されない見積もりは、他院の提案と比べるときの物差しになりません。
Q. 上の歯のインプラントは費用が高くなりやすいですか?
骨造成などの処置が加わる場合は、その分の費用が別に必要になります。
医療法人スマイルの料金表では、インプラント1本の手術費を290,000円(税別)と案内しており、これは手術料のみで、別途、麻酔や上部構造などの諸費用がかかると明記されています。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科のザイゴマインプラントのページでは、料金の目安(手術費)として、オールオン4手術料175万円(税抜)とザイゴマインプラント料20万円(税抜)が示されており、別途、麻酔などの諸費用がかかります。
骨造成や静脈内鎮静法の費用は、無料カウンセリングのあとに提出される見積もりで事前に確認できます。
インプラント治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。
公益社団法人日本口腔インプラント学会のよくあるご質問でも、外傷や腫瘍などで顎の骨を失った場合や先天的な欠損など限られた条件を除き、全額が患者負担の自費診療になると説明されています。
なお、自由診療でも医療費控除の対象になり、アルティメイト栄歯科・矯正歯科では分割払いやクレジットカードでの支払いにも対応しています。
金額だけを比べるのではなく、どこまでの処置が含まれているのかをそろえて比べてください。
上の歯のインプラントができないと言われたときの考え方まとめ

上の歯のインプラントができないと言われたときは、「できるかできないか」を急いで結論づける前に、その判断が何にもとづいているのかを確かめるところから始めてください。
上あごの奥は上顎洞が近く、骨の残り方も個人差が大きい部位です。
平面のレントゲンだけでは読み取りきれない情報があります。
確かめたい順番は3つです。
1つ目は、どの検査にもとづく判断なのか。
2つ目は、足りないとされたのは骨の高さなのか幅なのか、どの部位なのか。
3つ目は、その状態に対応している治療がどこまで検討されたのか。
検査の結果によって、骨を補う骨造成、埋入する位置や角度の工夫、頬骨を支えに使うザイゴマインプラント、入れ歯やブリッジと、検討できる方法は変わります。
ザイゴマインプラントは通常のインプラントとは適応も手術内容も異なり、すべての方に適応する方法ではありません。
いずれの方法も、画像診断と適応条件の確認が前提になります。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科は、地下鉄栄駅から徒歩2分、名古屋市中区錦にあります。
三次元で診断できる歯科用CTと、通常の診療エリアから独立したインプラント専用のオペ室を備え、陽圧管理と生体管理モニタのもとで手術を行う体制を整えています。
コンピューターガイド手術やX-ガイドによる事前のシミュレーションにも対応しています。
インプラント本体には10年の保証(最低でも半年に一度の定期検診が条件)、上部構造には5年の別規定を設けています。
セカンドオピニオンは紹介状なしで受け付けており、セカンドオピニオンのご案内ページではCT撮影を含む無料診断を行うと案内しています。
「他院で骨が足りないと言われて、そこから先に進めていない」「上あごは難しいとだけ言われて理由が分からない」「入れ歯が合わず、ほかに方法がないか知りたい」。
こうしたお悩みでご相談に来られる方は、名古屋市内はもちろん、周辺の地域からもいらっしゃいます。
医療法人スマイルは、愛知県と岐阜県で複数の歯科医院を運営しています。
グループ全体の取り組みは医療法人スマイル公式サイトをご覧ください。
【この記事で紹介した自由診療について】
| 治療名 | 治療内容 | 標準的な費用 | 治療期間・回数 | 主なリスク・副作用 |
|---|---|---|---|---|
| インプラント(1本) | 顎の骨に人工歯根を埋入し、上部構造(かぶせ物)を装着して歯の機能を回復する治療 | 290,000円(税別・医療法人スマイル料金表)。手術料のみで、麻酔や上部構造などの諸費用は別途 | 診断から上部構造の装着まで数か月程度。上顎では骨と結合するまで4〜6か月程度が目安で、複数回の通院が必要 | 術後の腫れ・痛み・出血、骨と結合しない場合がある、インプラント周囲炎、定期検診の継続が必要 |
| 骨造成(サイナスリフト・ソケットリフト・GTR法) | 不足した骨に自分の骨や人工材料を補い、インプラントを支えられる状態に整える処置 | 無料カウンセリング後にお見積もりをご提出します | サイナスリフトは治療期間の目安が約1年。ソケットリフトは条件次第で埋入と同時に行える場合あり | 術後の腫れ・痛み、上顎洞粘膜の損傷、術後の上顎洞炎、骨造成が十分に進まない場合がある |
| ザイゴマインプラント | 顎の骨ではなく頬骨を支えに用いる方法。上あごの骨が大きく痩せた場合に検討される | オールオン4手術料175万円+ザイゴマインプラント料20万円(税抜)。麻酔などの諸費用は別途 | 手術は長時間におよぶ。状態によっては当日に固定式の仮歯を装着できる場合あり | 適応が限られる、術後の腫れ・痛み、上顎洞や頬部のトラブル、対応できる医療機関が限られる |
| 静脈内鎮静法 | 点滴で鎮静剤を用い、うとうとした状態で治療を受けられるようにする方法 | 無料カウンセリング後にお見積もりをご提出します | インプラント手術と併せて行われる方法で、適応は全身状態と治療内容によって判断。当日は付き添いや安静が必要 | ふらつき・眠気が残ることがある、当日の運転不可、事前の飲食制限あり |
上記はいずれも、公的医療保険が適用されない自由診療です。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科では、無料カウンセリングのあとに、事前に費用のお見積もりを提出すると料金ページで案内しています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療方針を示すものではありません。
実際の適応や費用は口腔内の状態によって異なりますので、歯科医師の診察を受けたうえでご相談ください。
上の歯の状態は、画像で見てはじめて具体的な話ができます。
他院での説明に納得できていない方は、いまの状態を確認するところから始めてみてください。
アルティメイト栄歯科・矯正歯科では、予約ページとお電話でご相談を受け付けています。
検討の段階で情報を集めておきたい方は、無料ガイドの実際の症例・費用例と3分でわかる治療適性チェックもご利用いただけます。
【この記事の監修者】
医療法人スマイル 理事長 尾崎 隆(歯科医師)
1989年歯科医師国家資格取得。
1999年スマイル矯正歯科(現・スマイル歯科クリニック・矯正歯科)開設。
2013年名駅歯科クリニック・矯正歯科、2018年岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科、アルティメイト栄歯科・矯正歯科を開設。
2020年医療法人スマイル設立、理事長就任。
資格・研修歴:USA OBI LEVEL4/MALO CLINIC Educationコース修了(All-on-4・インプラント)/マウスピース矯正・インビザライン認定医
最終更新日:2026年9月




